Web システムの基本:LAMP環境について簡単に解説

今回は、Web システムを作る上で、もっとも標準的なWeb サーバー及びその周辺構成であるLAMP(ランプ)環境について簡単に説明します。

※Web サーバーの役割と基本構成については、別の記事で解説をしていますので、こちらからご覧ください。


LAMP(ランプ)とは、「Linux(リナックス)」、「Apache(アパッチ)」、「MySQL(マイエスキューエル)」、「PHP(ピーエイチピー)
という4つの技術の頭文字です。

LAMP環境とは、上記4技術で構成されたWebシステムを開発する環境であり、現在世界中で広く普及しています。
それぞれについて、もう少し詳しく見てゆきましょう。

LAMP(ランプ)環境とは?

Webページを制作する場合、Webサーバー(及びその周辺)に必要な構成要素は以下の4点ですが、LAMP環境とは、それぞれの要素に下記4つの技術を使用する環境のことです。

  Webサーバーに必要な構成要素 LAMP環境で使われる技術
1 サーバー用OS Linux(リナックス)
2 Webサーバー用のソフトウェア Apache(アパッチ)
3 データベースサーバー用のソフトウェア MySQL(マイエスキューエル)
4 サーバー間を取り持つプログラム PHP(ピーエイチピー)

LAMP環境がWeb システムの開発環境として標準的とされているのは、様々なメリットがあるからです。
次にその特徴を見ていきましょう。

LAMP環境の特徴その1 オープンソース

LAMP環境で使用される4つの技術は、実は全てオープンソースとなっています。

オープンソースとは、プログラムである「ソースコード」を無償で一般に公開することです。それによって誰でも自由に、開発・改良・再配布を行うことができます。

普及したオープンソースの技術は、無償にも関わらず、世界中のエンジニアによってアップデートされ続けるため、堅牢性、耐障害性に優れていると言われます

LAMP環境の特徴その2 開発コスト

LAMP環境は使用する全ての技術がオープンソースであることから、ライセンス料(使用料金)がかからず、開発コストを最小限に抑えられるという特徴もあります。

さらに、特定の企業の製品に依存しにくいため、数多くのフリーのソフトウェアをカスタマイズして使用できる等、拡張性・汎用性が高いとも言えます。

LAMP環境の特徴その3 ノウハウや人材等のリソースが豊富

LAMP環境は動的ページを含むWeb サイトの構築に適する上、開発事例が増え続けている人気の環境なので、世界中にノウハウが公開されています。

また採用企業が多いため、LAMP環境に慣れたエンジニアも多く、人材の確保をしやすいというメリットもあります。

では、次からは、LAMP環境の各要素について一つずつ紹介します。

サーバー用OS:Linuxとは?

LinuxはWebサーバー向けOS(オペレーションシステム)の一つです。
1991年、リーナス・トーバルズ氏によってフィンランドで開発されました。

Linuxの特徴

  • 自由度の高いオープンソースOS(改変・再配布可能)
  • いわゆる「黒い画面」にアルファベットを入力して操作(コマンドを直接入力)
  • ネットワーク機能やセキュリティーに優れ、安定性もある
  • 他のOSに比べ、低性能のコンピュータでも軽快に動作する

Linuxの主な用途

主に、Web サーバー、データベースサーバー等インターネットを構成する各種サーバーに使用されます。

Webサーバー用のソフトウェア:Apacheとは?

世界的に最も利用者が多い、Web サーバーの基本ソフトウェアです。
1995年に、イギリスのApache ソフトウェア財団によって公開されました。

Apacheの特徴

  • 20年以上の運用実績と積み重ねた改良による高い信頼性がある
  • 開発者が多く、扱うことのできる機能が豊富で、増え続けている
  • 数多くのOSをサポートする仕組みを搭載し、ユーザーの環境を選ばない
  • 動的なコンテンツの処理に適している

Apacheの主な用途

主要サーバーOSであるLinuxに採用されており、プログラムであるPHPやデータベースと連携しやすいというメリットがあります。企業から個人まで様々な用途で使用されています。

データーベースサーバー用のソフトウェア:MySQLとは?

世界トップシェアを誇る、データベースサーバー用ソフトウェアです。
1995年にミカエル・ウィデニウス氏によって開発され、現在はOracle社が管理しています。

MySQLの特徴

  • リレーショナルデータベースマネジメントシステム(RDBMS)の代表選手
  • 高性能な独自のエンジンが採用されており、処理が早い
  • 数あるデータベースシステムの中でも拡張性と柔軟性が高い
  • 複数人のユーザーが同時に接続して利用可能(マルチユーザー対応)

MySQLの主な用途

小規模から大規模まで幅広いデータ量の管理が可能で、複数の人が同時に利用することを前提としたWebシステム上のデータベースソフトウェアとして適しています。

サーバー間を取り持つプログラム:PHPとは?

サーバー側で使用するプログラム及びプログラミング言語です。
1995年にラスマス・ラードフ氏によって開発されました。

PHPの特徴

  • Web サーバー、データーベースサーバーと協力し、動的にWebページを生成することができる
  • 比較的簡単に習得できるため、技術者が多く、ノウハウが多く存在する

PHPの主な用途

Webシステム開発で使用される機会が多いです。

P系言語とは(PHP、Perl、Python)

Web のサーバー側で使用するプログラム及びプログラム言語には、他にPerl(パール)Python(パイソン)があります。
どれもオープンソースで、この三つを総称して「P系言語」と呼ばれることがあります

「LAMP環境」と言った場合、プログラムにはPHP以外にPerlやPythonが使用される場合もあります。

今回のまとめ

今回の記事では、Web システムを作る上で、もっとも標準的なWeb サーバー及びその周辺構成であるLAMP(ランプ)環境の解説をしました。
この環境は、Webシステム開発の基本形とも呼ばれ、最近ではクラウドサービス下でも、このLAMP環境が組めるようになってきました。
20年以上前からある技術ですが、今後の発展も期待できそうで、心強いですね!

ご覧いただきありがとうございました。

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